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コンテンツマーケティング

一次情報コンテンツはどう作る?編集とインタビューの設計が成果を分ける理由

一次情報コンテンツはどう作られるのか
編集とインタビューの設計が成果を分ける

一次情報コンテンツは、ただインタビューをして記事を書けば生まれるものではありません。
成果につながる一次情報コンテンツは、編集設計とインタビューの両輪によって作られます。

現場では、
・どんなテーマなら成立するのか
・誰が語り手として適切か
・どこまで深掘りすべきか
・どの話を残し、どこを削るか
といった判断が積み重ねられています。

この記事では、一次情報コンテンツがどのように作られているのか、編集者とインタビュアーの実際の思考プロセスをもとに整理します。

なお、当記事制作にあたって、弊社編集者へのアンケートを実施し、その結果を随所に使っています。

1|編集は記事を書く前に“勝ち筋”を決めている
一次情報コンテンツは設計から始まる

一次情報コンテンツ制作で最初に行うのは、原稿を書くことではありません。
まず行うのは記事の設計です。
具体的には次のような点を整理します。

・誰に読んでもらう記事なのか
⇒ターゲット読者像(〇〇についての基本的知識を得て実務に生かしたいと考えている新任マーケティング担当者)

・読後に読者は何を理解している状態か
⇒「〇〇って最初□□するものだと思っていたが、大事なことはむしろ□□することだと分かった。これなら私も出来そう(ターゲット読者像)」等々。獲得したいターゲットの理解状態(=パーセプション)を表現する。

・このコンテンツはマーケティングファネルのどこに位置するか
⇒「広く認知を獲得する上流ファネルではなく、理解や共感を深める中流ファネルに位置づけよう。だから敢えて問合せ等のコンバージョンは狙わない。それは別途下流ファネル向けコンテンツで行う」

・滞在時間・回遊・〇〇資料ダウンロード・問い合わせなど、どの成果を狙うのか

つまり編集とは、文章を書く作業ではなく、成果から逆算してコンテンツを設計する仕事です。

編集者の一人は次のように語っています。
「編集者によってアウトプットは大きく異なる。自分は特に論理構造を重視している。」

さらに、
「論理構成、文章整理、タイトル、デザインなど作業量は膨大。
ただし質の面で編集者が最もリードすべきなのはタイトルとリード、デザイン。」

つまり編集の仕事は、単に原稿を整えることではなく、コンテンツ全体の構造を作ることなのです。

2|インタビューの質は準備で決まる
良いインタビューは“対話”から生まれる

一次情報コンテンツではインタビューが重要な役割を果たします。
しかし、インタビューの質は当日の会話力だけで決まるものではありません。
むしろ重要なのは事前準備です。

インタビュー相手の多くは、企業幹部や現場責任者です。
忙しい時間を割いて話をしてもらう以上、次のような理解は最低限必要になります。
・業界構造
・企業の事業内容
・最近の取り組み
・話し手の立場や役割

可能であれば、
・過去インタビュー
・登壇資料、
・SNSや寄稿記事
などを確認し、その人がどんな考え方を持つ人物なのかを理解しておきます。
こうした準備があって初めて、インタビューは「質問」ではなく対話になります。

良いインタビューでは、
・判断の理由
・迷った瞬間
・成功や失敗の背景
といった思考プロセスが語られます。

逆に、準備不足のインタビューでは
・一般論
・他社事例
・表面的な成功談
ばかりになりがちです。

一次情報コンテンツの質は、事前準備の深さによって大きく左右されるのです。

3|インタビューはチーム戦
編集とインタビュアーは同じ設計図を共有する

多くの場合、一次情報コンテンツ制作は
・編集者
・インタビュアー(兼ライター)
の2人チームで進みます。

ここで重要なのは役割分担よりも、設計図の共有です。
事前に、
・記事のゴール
・どんな判断を引き出したいか
・どこが一番重要なテーマか
を共有しておくことで、インタビューは深い対話になります。

現場では
・予定していなかった質問が生まれる
・編集視点からの追加質問が入る
・会話の流れに応じて構成が変わる
といったこともよくあります。

一次情報は個人の話術ではなく、設計されたチームの対話から生まれるものです。

4|インタビューで掘り出し、編集で立ち上げる
一次情報コンテンツは両輪で完成する

一次情報コンテンツは、インタビューだけでも、編集だけでも成立しません。インタビューで一次情報を掘り出し、編集でそれを意味のある構造に立ち上げることで、はじめて読者に届くコンテンツになります。

インタビューは、現場の判断や迷いを引き出す重要な工程です。
しかし語られた内容は、そのままではまだ「素材」の状態です。

編集では、その素材の中から
・判断の分岐点
・結果につながった行動
・読者が理解しやすい順序
を見つけ出し、意味の流れとして再構成します。

実際の編集現場では、インタビュー内容をそのまま使うことはほとんどありません。

例えば次のような話は削られます。
・面白いが成果につながらない話
・独自性のない話
・読者が理解しにくい話

一方で、必ず残されるのは

・数字や結果で裏付けられた話
・現場のリアリティが伝わる話
・話者独自の言葉や考え方

です。

ある編集者はこう語ります。

「どちらかというと“これを入れたい”より、“せっかく書いたものを消したくない”との戦いが多い」

また、
「エビデンスを厚くするパターンは最低限でよい。量を稼ぐための文章はテーマをブレさせる」

とも言います。

さらに、書籍レベルの内容をWeb記事に落とし込む際には

・要約
・抜粋
・短縮
といった再設計も必要になります。

その一方で、編集者が絶対に削らない部分もあります。

それは
語り手の思いやオリジナリティが強く出ている部分です。

編集とは、

・削る
・弱める
・残す

という判断を繰り返しながら、一次情報を「意味のあるストーリー」に立ち上げる仕事なのです。

ここまで読むと、
「この編集は自社で再現できるのか?」と感じた方もいるかもしれません。
実際の現場では、編集者の判断によってアウトプットは大きく変わります。
その違いを具体的に知りたい方は、こちらをご覧ください。

5|なぜ編集が入るとエンゲージメントが変わるのか
読者は“判断の物語”に引き込まれる

一次情報コンテンツのエンゲージメントが高くなる理由は、単純に情報量が多いからではありません。

読者が引き込まれるのは、
・判断の理由
・迷い
・行動
・結果
という思考のストーリーです。

編集は、このストーリーを読者が理解できる形に整理します。

結果として
・滞在時間
・回遊
・指名検索
などが自然に伸びていきます。

6|では、その編集を担うプロとは誰なのか?

ここまで読んで、
・一次情報コンテンツは設計から始まる
・インタビューと編集は両輪
・編集の判断が成果を分ける
ということは見えてきたと思います。

では、その編集を担うプロとは誰なのでしょうか。
実は、一次情報を構造化する技術はもともと ビジネス書編集の現場で培われてきたものです。

次の記事では、
・なぜビジネス書編集者が一次情報コンテンツに強いのか
・「プロと組む」とは具体的に何をすることなのか
・Web記事制作はどう変わるのか
を解説します。