税金格差

税金格差
「税」から今日の格差や経済の問題点を知る! 日本の多くのサラリーマンに贈る、新しい教養の一冊。
▼ 実感なき経済成長の中、増税が迫る
精いっぱい働いても、給料は上がらず、生活もラクにならず、将来は不安……と嘆く人は多い。 給料は横ばいでも、消費税は上がり、社会保険料は増え、子どもの教育費も高騰を続けている。 だが、まわりを見渡せば、そうでない人も数多くいる。
会社員は源泉徴収できっちり税金を取られ、節税などほとんどできない。 一方で、一部の自営業者や経営者など富裕層は、ほとんど税金も納めず裕福に暮らしている。
これらの格差の原因は「歪んだ税」にある。 戦前から現在までを概観しつつ、どこが問題なのか、いつから歪められたのか、今日の格差や不公平の根源を指摘。 また、所得税や消費税など、日本における5つの主な税の問題点を掘り下げていく。 老舗の週刊経済誌で記者を務めた著者が、庶民の目線で「税」の問題点に鋭く迫った一冊!
著者紹介
梶原一義(かじはら・かずよし)
1953年生まれ、北九州市若松区出身。早稲田大学商学部を卒業後、ダイヤモンド社に入社。「週刊ダイヤモンド」記者としてマクロ経済や中小企業、総合商社、化学・医薬品業界などを担当。以降、各種経営情報誌や単行本などの編集に従事。
著者:梶原一義
定価:本体1280円(税別)
発行日:2017/12/11
ISBN:9784295401438
ページ数:271ページ
サイズ:182×115(mm)
発行:クロスメディア・パブリッシング
発売:インプレス
もくじ
はじめに
序章 ざっくりつかむ税金の基礎と問題点
税はこう変わってきた-近代から現代の流れを一気につかむ
税の「3つの機能」と「3原則」
「他人任せ」が不公平税制を生んできた
税への無関心が「逆襲」してくる
高額納税者の5割強は中小企業の経営者・役員
企業数で見ると、日本企業=中小企業=同族企業
第1章 所得税-富裕層優遇の分離課税が定着し、税率も引き下げ
バブル前後の「税率構造の圧縮」
配当所得課税は申告不要が定着
シャウプ税制の理念とは
「進駐軍の押しつけ税制」として、骨抜きに
第2章 相続税・贈与税-バブル崩壊後に富裕層優遇が進んできた
何が問題となっているのか
空洞化が改善されない相続税
近年、軽減基調にある贈与税
第3章 法人税-中小企業優遇税制のオンパレード
企業数の1%未満の大企業が法人税収の6割強を納める異常
資本金額1億円と1000万円が節税の分岐点
第4章 消費税-巨額の益税発生などずさんな仕組み
事業者への過剰な懐柔策を盛ったために、空洞化
OECD加盟33カ国で、インボイス方式でないのは日本だけ
免税店が1000万円に下がっても、約6割が免税事業者
みなし仕入れ率によって益税が生まれる簡易課税制度
軽減税率導入で、どうなるか
第5章 毎年の膨大な申告漏れと課税体制の問題
きちんと調査すれば、追徴税額は10兆円前後増える
どう制度を整えていけばよいのか
第6章 税制が歪められてきた構図
田中角栄元首相が強力に推し進めた商工会議所との連携
中小企業に脅されて費えたグリーンカード制度
7割の法人が不払いの「法人事業税」の外形標準課税制度
株主の租税回避にブレーキをかける留保金課税制度
第7章 主要な税制改正要望を実現させる日商の実力
税負担の軽減を求める要望が多い
空き家問題深刻化の中で、住宅ローン減税が補充
第8章 税制を正していくために
税の重要性を理解していた田中角栄元首相
重要なのは「税への関心」