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デザインの次に来るもの

デザインの次に来るもの

本書は、いまヨーロッパで注目されている経営戦略「意味のイノベーション」について本格的に解説する書籍です。

▼ モノが売れない時代のアプローチ

「モノが売れない時代に、どう売ればいいのか?」
この答えとして、いま欧州で注目されている経営戦略「意味のイノベーション」。
イタリア発のこの考え方は、極端に言えば「商品やパッケージはそのままでイノベーションを起こす方法」です。
ミラノ工科大学のロベルト・ベルガンティ教授の著書『デザイン・ドリブン・イノベーション』で提唱されたこの概念。
これは、2010年発表のEUの10年計画の中にも組み込まれ、欧州の最前線で使われているアプローチなのです。

▼ デザイン思考は万能ではない
デザイナーの考え方をビジネスの問題解決に活かす方法として、少し前にアメリカ発の「デザイン思考」が広く知られるようになりました。
ただ、デザイン思考は万能のツールではありません。
その長所や弱点を押さえつつ、別のアプローチから商品やサービスを革新することができるのが、本書で解説する「意味のイノベーション」なのです。

「問題解決」だけでなく、「意味」を変えることで、商品の価値を飛躍的に高める。
中堅・中小企業が、自社の資源を活かしつつ、他社と差別化を図り、長期的に売上を伸ばせる画期的な経営戦略。
特に「雑貨や家具・照明器具」といった非テクノロジー分野で効果の高いこの考え方ですが、残念ながら日本ではまだあまり知られていません。

そこで、この「意味のイノベーション」の要諦を、イタリアを拠点に活躍するビジネスプランナーとデザインマネジメント専門家の二人のエキスパートが解説するのが本書です。
欧州の最前線での事例を交えつつ、日本人が理解・実践しやすいようまとめたこの一冊は、イノベーションの新しい方向性を示すはずです。

著者紹介
安西洋之/八重樫文(あんざい・ひろゆき/やえがし・かざる)
安西洋之(あんざい・ひろゆき)
モバイルクルーズ株式会社代表取締役。いすゞ自動車に勤務後、1990 年よりミラノと東京を拠点としたビジネスプランナー。多くのデザインプロジェクトに参画。また、異文化理解アプローチ「ローカリゼーションマップ」を考案し、執筆や講演等の活動を行う。著書に『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『イタリアで、福島は。』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヨーロッパの目 日本の目』(日本評論社)。共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』(日経B P社)。毎週、SankeiBiz にコラム「安西洋之のローカリゼーションマップ」を連載。
「ローカリゼーションマップ」 http://www.localizationmap.com/

八重樫文(やえがし・かざる)
立命館大学経営学部教授、立命館大学デザイン科学研究センター長。武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。デザイン事務所勤務、武蔵野美術大学助手、福山大学専任講師、立命館大学准教授を経て現職。2015 年度ミラノ工科大学DIG(Dipartimento di Ingegneria Gestionale:経営工学研究所)客員研究員。専門はデザイン論、デザインマネジメント論。著書・訳書に『デザイン・バイ・マネジメント』(共著、青山社)、『デザイン・ドリブン・イノベーション』(監訳/訳、クロスメディア・パブリッシング)など。

著者:安西洋之/八重樫文
定価:本体1680円(税別)
発行日:2017/5/1
ISBN:9784295400806
ページ数:208ページ
サイズ:188×130(mm)
発行:クロスメディア・パブリッシング
発売:インプレス

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もくじ

はじめに

第1章 まず、デザインの世界潮流をつかむ
世界のデザインの「先端」はどこにある?
イタリアの経営者は本当にデザインを理解してきたのか?
実は、イタリアデザインは遅れている
クルマと家具という2 つの文脈
ソーシャルデザインへのこだわりはあるか
Column 職人システムとスローフード

第2章 ヨーロッパはこう動いている
欧州中小企業の生き残り戦略―EUのデザイン教育
中小企業が「新しい意味」に期待をかける
欧州でデザインは冷遇されてきた
Column 意味は発見か、再発見か

第3章 あらためて、ビジネスにおける「デザイン」とは?
デザイナーでないからこそ必要な、言葉への「こだわり」
デザインはヨーロッパでどう成立してきたのか
世界のデザインマネジメント研究はどこを見ているか?
Column 組織における創造性は“恐怖”を生み“痛み”を伴うもの?

第4章 意味を変える戦略
「デザイン思考」と「デザイン・ドリブン・イノベーション」
「デザイン思考」の利点と弱点
「デザイン・ドリブン・イノベーション」へ
デザイン・ドリブン・イノベーションの実践事例
「意味のイノベーション」を導く4 つのプロセス

第5章「意味のイノベーション」を実践するには
日本の中堅企業が欧州市場でイノベーションを起こすには
個人でデザイン・ディスコースをつくり上げる
コンセプトを考えるために大切なこと
日本の中堅企業が目指す意味のイノベーション
Column ベルガンティの考え方を地で行くような「ほぼ日」

終章 デザインだけではない、ビジネスにイノベーションを起こす試み
そもそも、なぜイノベーションとデザインが関係するのか?
ビジネスにおける「アートの力」
「ファシリテーター」としてのデザイナーの能力

おわりに

参考文献

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